● ピアノの「ピ」の字。 〜気まぐれピアノ・レッスン〜
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「四方山話はいかが?」
生活/パソコン 四方山話 第2頁 - Various Topics - Column #6〜#10

ひとやすみ:  このページは生活やパソコンなど、 ピアノ関連以外のことを書き綴っていく、まとまりのないページです。 読み進めるごとに古いコラムが表示されます。 適当に流し読みしてくださいね。 本当はちゃんと読んでほしいけれど ;-)
感想などありましたら、 ぜひ、ゲストブック「ピ」の字倶楽部に書き込んでくださいね。 電子メールでもO.K.ですよ。


ピアノの「」の字の”ぴのじ”より







■ ちょっぴり私、お疲れのようです・・・


東京に桜を咲かせた厳しい残暑も、いきなり秋に包まれて、季節の移ろいもせわしないものです。そして、年々バランスを失ってゆく秩序に、乾いた不気味さを感じます。いまは紅葉狩りの季節ですが、夜の人波の背は、足早にクリスマスや正月へと向かっているように感じます。

月夜をにぎわしたコオロギの音も、いまは一匹を残すのみとなり、どこからともなく、明るい秋月の光に負けじと鳴いています。いるのかどうかもわからぬ雌を懸命に呼んでいるのでしょう。

数日後には、彼の死を耳で知ることになるのでしょう。寂しいことです。しかし私には、月下の青いアスファルトの片隅を這う、雌コオロギの姿が見える気がします。きっと来秋も、新たな命が、その力強い音色を響き渡らせてくれるのでしょう。

(Nov. 8, 1999)


■ 気まぐれチャレンジ前屈編


ここ3年ほど、どうも背骨が曲がっているような違和感を感じています。布団に寝転がっても、どうも身体がまっすぐに伸びていない気がして、落ち着かないのです。恐らくその原因は、単なる運動不足と、重いカバンをいつも同じ手で持つクセによるものだと思います。

こりゃイカン。まだ20代なのに・・・。というわけで、立ったままで前屈をしてみました。くうぅぅぅ! まったく手が床に届きません。ま、こんなもんだ。情けないけど妙に納得。まいったか。なんて、池野めだか師匠のボケをかましながら、涙ぐむのでした。何度か前屈を繰り返しているうちに、腰骨が柔らかくなるようです。勢いをつけて前屈すると、一瞬だけでも指先が床に着くようになりました。今度こそ、まいったか、ふじわらのりか。それにしても気持ちがいい。人間は、カラダを動かすことが快感となるようにできているのだ。絶対に。

その日の就寝前、今度は布団の上に脚を伸ばして座り、そして前屈をしました。あらら・・・全然曲がらない。足先に指が届きません。情けない・・・。座ったままの前屈では、立ったままの前屈のように、上半身の体重や重力を利用して曲げられないのです。腹筋背筋が必要なのだ。しかし、後ろに反り返ってから前屈することで勢いがつき、少しずつ曲がるようになってきました。

燃える前屈魔と化した私は、30分ほど前屈を繰り返し、ついに、足先に余裕で手が届くようになったのです。スンバラシイ! 努力と根性のたまものです。それに気をよくした私は、できるだけ毎晩、就寝前に、「座り前屈(?)」することを決めたのでした。それが先月初頭(1999年10月初頭)のことです。




そして、今日。約1ヶ月間、毎晩と言えないまでも、ほぼ毎晩、前屈を続けてきました。しかーし、いまだに、頭がヒザにかする程度までしか曲がりません。ちと悲しい。私の夢は、中国雑伎団のように、股のあいだから頭を出すことなのだ、とはいいませんが、体操の選手のように、胸がヒザにくっつくくらいにはなりたいのです。錆び付いたカラダには少々酷なのかもしれませんが、きっと実現してみせる。なにより、「健康のため」なのだ。

前屈魔は今日も、エビと化す。

(Nov. 2, 1999)


■ オンブバッタ


9月下旬(1999年)のことです。台風が近づくとのことで、外に出している小さな寄せ植えを室内に移動させました。すると、ピョコンと、一匹のオンブバッタが寄せ植えから飛び出しました。

本棚に張り付いた、その小さなオンブバッタをよく見ると、普通のオンブバッタとは色が少し異なります。全体的に黄色っぽい黄緑色で、目は黄色。明らかに違和感があります。意表をつかれた登場に少々とまどいながら、しげしげと見つめました。そして我に返ったとき、ある記憶が甦りました。

8月頃、寄せ植えの手入れをしていたとき、アイビーの葉陰にバッタが潜んでいるのを見つけたことがありました。そのときは観察することもなく、こんなところに食べ物はないぞ、と同情しながら、そっとしておいたのです。そして今、目の前にオンブバッタがいる。もしかして、同じオンブバッタ・・・?

邪魔をして悪かったと思いました。彼を元の世界に戻してやろうと、そっと手を伸ばしました。しかし彼は、それを拒否するかのごとく、ピョンと元気良く床へ飛び降りました。私は、今の行為が愚かだったことに気付き、そっとしてやることにしました。




台風の影響がなくなった後日、寄せ植えを外に出してやることにしました。部屋の外は灰色のコンクリート・ジャングル。視界に入る緑は、遠くアスファルトの道路に隔てられ、ずっしりとした重い空気に包まれています。そっと上から彼の世界を覗いてみました。しかし、彼がいません。そのとき突然、身震いに似た情動に襲われました。

あのオンブバッタは、この寄せ植えの中で生まれ育ったとは考えられまいか・・・そして、一度も外界へと踏み出すことなく、彼の世界は、この小さな寄せ植えが全てだった・・・。彼の体色がこの疑問の答えをやるせないものにします。なぜか私は、とんでもないことをした、彼の人生を狂わしてしまったのではないかという、罪悪感と絶望感にとらわれました。なぜあの時、彼を元の世界に戻さなかったのか、なぜ、もっともっと広大な、本当の世界に連れていかなかったのか。息苦しい後悔が押し寄せました。仲間と出会うこともなく、恋をすることもなく、どんなに寂しい世界だったろうか・・・。彼を探し回りました。部屋中隅々探し回りました。本棚の裏、カーテンの裏、シューズボックスの下・・・。




夢のような、彼との小さな出会いは、彩りを失った小さな寄せ植えとともに、今日も小さく風にゆれています。

(Nov. 1, 1999)



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